産後は生理不順になりやすい?原因や改善法を解説

産後は生理不順になりやすい?原因や改善法を解説
監修:原野 尚美 医師
この記事の監修医師
原野 尚美 医師
産婦人科専門医
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産後に生理不順になる方は少なくありません。「いつ生理がくるのか分からない」「生理周期が安定しない」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。

産後の生理不順は、ホルモンバランスの変化や育児によるストレスなど、さまざまな要因で起こります。

今回は、産後に生理が再開する平均的な時期や生理不順になりやすい理由などについて詳しく見ていきましょう。生理不順の改善法も紹介しているので参考にご覧ください。

目次

生理不順とは

生理不順とは、正常な生理周期から外れた状態を指します。具体的には、25~38日が正常な生理周期と定義されており、これより生理が早まったり遅くなったりした状態が生理不順です。

健康な状態では、排卵から約14日後に生理が始まるというパターンが繰り返されます。しかし、ストレスやホルモンバランスの乱れ、生活習慣の変化などによってこのリズムが崩れることも珍しくありません。

生理不順は体からのサインであり、何らかの原因があって起こる現象だと考えられています。特に出産後は体内環境が大きく変化するため、生理不順が起こりやすい時期です。

産後に生理が再開する平均的な時期

産後に生理が再開する時期は、人それぞれ異なります。1カ月程度で再開する方もいれば、半年以上かかる方もいるのです。

産科患者834名を対象に出産後の生理再開した時期を調査した研究では、以下のような結果が出ています。

授乳中の女性 母乳とミルクを併用している女性 授乳していない女性
産後6週間以内 35.5% 47.3%
産後6~12週 25.7% 51.3% 45.4%
産後12~18週 20%
産後18~24週 14.3%

この結果を見ると、授乳している女性はしていない女性よりも生理が再開するまでに時間がかかることが特徴です。また、生理再開までの期間が早いほど生理不順になりやすいことも分かっています。

産後の生理と妊娠前の生理の違い

産後の生理は、妊娠前と比べて大きく変化することがあります。これまでの生理との違いに戸惑ってしまうこともあるでしょう。

産後は生理周期が乱れやすい

産後は、どうしても生理周期が乱れやすくなります。これは、体内のホルモンバランスが出産や授乳によって大きく変化するためです。妊娠前は周期が安定していた方でも、産後は40日以上あいたり20日程度の周期で次の生理がきたりする場合があります。

特に授乳中は、プロラクチンという母乳の分泌を促すホルモンが排卵を抑制するため、母乳育児をしている場合は生理の再開が遅くなりやすいことが一般的です。

卒乳後もすぐに妊娠前の周期に戻るわけではなく、数カ月かけて徐々に安定していくケースが多いでしょう。

出血量が安定しづらい

産後の生理は、出血量が安定しにくいという特徴もあります。出血量が妊娠前よりも増えたり少なくなったりすることがあるのです。

また、出血の色や質も変化する場合があり、通常より暗い色であったり粘り気が強かったりすることもあります。これらの変化は産後の体が徐々に元に戻る過程で起こるものです。

ごく自然な現象ではありますが、あまりに大量に出血したり強い痛みを伴ったりする場合は婦人科を受診しましょう。

産後は生理不順になりやすい!その原因は?

産後に生理不順になりやすい原因には、主に次の4つがあります。

  • ホルモンバランスの変化
  • 慣れない生活によるストレス
  • 栄養不足
  • 妊娠

ホルモンバランスの変化

産後の生理不順を引き起こす大きな原因は、ホルモンバランスの変化だと考えられています。

妊娠中は、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンの分泌量が通常よりも多い状態で維持されていましたが、出産後は急激にこれらのホルモンが減少します。

また、授乳中はプロラクチンの影響により排卵が抑制されることもあり、産後は生理が不規則になりやすいのです。

慣れない生活によるストレス

産後の新しい生活環境やストレスも、生理不順の大きな原因です。育児による睡眠不足や精神的な疲労などは、ホルモンバランスを乱す原因となります。特に初産の場合は慣れない育児に追われる日々で想像以上にストレスが溜まるものです。

ストレスを感じると、体内ではコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌され、これが女性ホルモンの分泌に影響を与えてしまいます。

栄養不足

産後は授乳や体力回復のために、通常よりも多くの栄養素が必要となります。しかし、育児に追われてしっかりと食事を摂るのが難しくなり、1日1食で済ませてしまう方が少なくありません。

簡単な食事で毎食済ませることも増えるでしょう。このような状態が続くと栄養不足に陥り、生理周期が乱れることがあります。

妊娠

産後は、生理が再開していなくても排卵が起こることがあり、妊娠する可能性があります。妊娠した場合、生理はきません。産後いつまでも生理がこない場合、また一旦生理が始まったものの再びこなくなった場合は妊娠の可能性を検討してみましょう。

産後の生理不順の改善法

産後の生理不順は誰にでも起こる可能性があります。そのため、過度に気にしすぎる必要はありません。どうしても気になる場合は、次の改善法を試してみるとよいでしょう。

寝られるときに寝る

産後の生理不順を改善するためには、可能な限り睡眠をとることが重要です。育児中は赤ちゃんのリズムに合わせた生活となり、まとまった睡眠時間の確保が難しくなります。

「赤ちゃんが寝たら自分も寝る」というスタイルをとることで、こまぎれではありますが睡眠時間を少し確保できます。

ストレスを溜め込まない

育児や家事で感じるストレスは、生理不順の原因となることがあります。そのため、日常的にストレスを溜め込まないようにする工夫が大切です。

赤ちゃんが一人で遊んでいる時間や寝ている時間を利用して温かい飲み物を飲んだり読書をしたりし、自分なりの方法でストレスを発散しましょう。

低用量ピルを服用する

産後の生理不順が長く続く場合は、低用量ピルの服用を考えてみるのもよいでしょう。低用量ピルには女性ホルモンが含まれており、体内のホルモンバランスを整え生理周期を安定させる効果があります。経血量を減らしたり生理痛を軽減したりするのにも有効です。

ただし、低用量ピルの添付文書では、授乳中の方(授乳婦)と産後4週以内の方は禁忌(服用できない)とされています。授乳中は母乳の量的質的低下が起こることがあり、母乳中への移行も報告されています。産後4週以内は血液凝固能が亢進され(血液が固まりやすくなり)、心血管系の副作用の危険性が高くなることがあります。授乳中の方や出産から間もない方は、低用量ピル以外の方法も含めて医師に相談しましょう(出典:PMDA 各製剤の添付文書)。

産後の生理不順で婦人科を受診する目安

産後は誰でも生理不順になることがあるため、あまり気にしすぎる必要はありません。授乳をやめて3カ月経っても生理がこないケースもあります。徐々に生理周期が整ってきますが、気になる場合は婦人科で相談してみてください。

まとめ

産後は生理不順になりやすい時期です。ホルモンバランスの変化や慣れない生活によるストレスなどが原因となります。生理不順を改善するためには、寝られるときに寝る、ストレスを溜め込まない、低用量ピルを服用するなどの対処法が有効です。ただし、授乳中や産後4週以内は低用量ピルを服用できないため、服用を考えるときは医師に相談しましょう。

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